三陸うめちゃんコラム
三陸うめちゃんコラムvol.17 ~三陸の今日は奥能登の明日を照らす~

12月中旬に岩手医科大学附属病院の慰問があるため、その前後で大槌・釜石に寄ろうと思っていましたが、気仙沼にも寄れそうだったので予定を詰め込んだらとても良い滞在になりました。そしてその流れで素晴らしい出会いをし、ご縁とつながりを実感しました。
◇気仙沼◇
宮城県気仙沼市は岩手県陸前高田市の隣接自治体ということもあって何度も訪れたことがあり、ライフワークでも気仙沼児童センターでパフォーマンスをさせていただいたこともあり、少なからぬ思い入れのある地域です。気仙沼大島へは定期船の歴史に幕を閉じた一方で橋が架かり利便性が格段に向上しました。道の駅も整備され、朝ドラ効果もあってとても賑わっている印象があります。気仙沼は気仙沼港周辺を含め元気をチャージできる場所のひとつです。
今回は気仙沼港のすぐ近くにあるサンマリン気仙沼ホテル観洋に宿をとりました。釜石の宝来館とともに震災後の三陸を代表するホテルです。

今年はサンマの水揚げが好調で家計にも優しい魚でありました。チェックイン後の夕食には海鮮丼をいただき、夜食に炙りさんまの棒寿司をいただきました。

三陸沿岸はなんといっても朝焼けが抜群に綺麗です。夜明け前の空の色が変わってくるのを楽しみに部屋のカーテンは開けたままにして眠るのが良いです。
気仙沼滞在の目的は、気仙沼港の目の前に位置するK-portが13年でいったん幕を閉じると知り、19日にお店に寄ってきました。ここは俳優の渡辺謙さんがオーナーの人気レストランですが、来年以降、新たな形で再出発したいということで、閉店前の3日間は謙さんがお店にいらっしゃるとのことでした。


19日は14時にお店に入るということでしたが一番乗りのファンは朝6時にお店に並んだとのことで、その方と地元のご夫婦に次いで私は3組目となりました。オープン前1時間くらい並んでいる方々と、「どこから来たのか」「何回目か」「国宝は何回観たのか」とオープンから毎月1回13年間来ている常連さん、仙台からいらした方などとも会話を楽しみました。
オープン後すぐに入店した私たちは14時の謙さん待ちのためいったんお店を出て、お昼過ぎに2回目の入店をしました。その時刻が近づく頃にはお店の外にもファンが集まり、結局その日の入店待ちをしていたすべての人を店内に案内することができなかったので、ドリンクのテイクアウトで応じたり、来店されたすべての方と謙さんは記念撮影に応じてくださいました。

仙台ではなく気仙沼という宮城県沿岸で一番北に位置する決して人口が多くはなく都心に比べて便利でもない港町に、人が集まってつながっていくきっかけをつくり、自身も年に何度もお店に立ってこの港町の象徴になってくださいました。今日出会った方々とはきっとまた再出発の時にここで出会える。新しい形で再始動したとしても、謙さんがつないでくださったご縁は続いていくと感じた一日でした。
(参照)
河北新報 - 12月23日記事より
渡辺謙、気仙沼の自身オーナー店「K-port」訪れ閉店へ「楽しい報告を、お待ち下さい」https://kahoku.news/entertainment/ori2426440.html
◇釜石◇
謙さんが気仙沼に寄り添ってきたように、私は私で暮らしてきた釜石には想いを残してきているので、寄れる時には寄って泊まれる時には泊まるようにしています。滞在時間が多く取れないので、今回はピンポイントにココイロこすもすファームでランチをすることにしました。


震災後に近隣から移り住んできた方々が多い甲子(かっし)町。私もそこで暮らしていましたが、旧こすもす公園は子どもたちや子育て世代の居場所として親しまれた場所で、ここの藤井ご夫妻にお世話になった方も多いと思います。惜しまれつつ閉園した後を、私と同じように復興支援で移住した石倉さんが想いを継ぎ、オープンに至ったのがココイロこすもすファームです。

ちょうど訪れたこの日から始めたという「こどもおすそわけチケット」。想いが重なって実現した取り組みの初日に伺えて、そのチケットを追加することができたのは嬉しいことです。

これからもココイロこすもすファームの取り組みを応援していきます。
(参照)
縁とらんす - 10月20日記事より
世代つなぐ、笑顔広がる!遊べる農園ココイロこすもすファーム 釜石の新拠点へ
https://en-trance.jp/news/kamaishishinbun-news/46234.html
◇大槌◇
「武蔵小金井で大槌のすっぷくが食べられるらしい」
姪っ子が店主をするよと釜石のおじさんがSNSで教えてくれました。大槌高校の「はま留学」という制度で埼玉から大槌に留学してきた栗原花音(かのん)さん。彼女が高校時代に取り組んできた郷土料理すっぷくは、大槌高校の後輩に受け継がれるとともにこの度商品化されました。高校卒業後、調理学生になった花音さんは毎週月曜日の夜だけアルバイト先を借りてすっぷくのお試し営業をしているということで武蔵小金井のお店に行ってきました。

台湾風居酒屋の店内から、大槌町のマスコット「おおちゃん」がこちらを見ていました。


干し椎茸のお出汁がきいた甘めのお汁は知佳子さん、テヱ子さんにつながる私が慣れ親しんだ大槌の味。唐丹のわかめも小鉢でいただきました。

店内では大槌のこと、花音さんがすっぷくを教わった知佳子さんのこと、そのお母さんのテヱ子さんのこと、花音さんに協力してくださった安渡公民館の方々のことなど、話せることがたくさんあって良い時間となりました。知り合いの姪っ子さんということを差し引いても素晴らしい子でした。味をつないでいくことは地縁血縁に限らないということ。花音さんが大槌でどのように3年間を過ごしてきたかを感じることができたのが嬉しいです。


日本で行われた2019年ラグビーワールドカップの釜石開催で、私は大槌町の方々と一緒にキッチンカーとテントブースで出店しました。その時にキッチンカーで出店したのが知佳子さんとテヱ子さんたちで、販売したのはこの郷土料理すっぷくでした。メニューには英語で動物性のものを使用していないベジな一品であることにも触れていました。外国からいらした方々もすっぷくに舌鼓でした。田舎のばぁちゃんとの交流も楽しんでくれたようでした。

再びラグビーワールドカップが日本で開催される時、試合会場かまた別の形で釜石もその盛り上げに関わるでしょう。その時、花音さんを加えたメンバーでまたこの舞台に立つことを実現したいと想いをあらたにしました。

テエ子さんは亡くなってしまいましたが、その味をついだ知佳子さんと花音さんのすっぷくを大槌にゆかりのある方はもちろん、多くの方にこの3世代の物語を味わってほしいと思いました。2026年は1月12日(月祝)から武蔵小金井ですっぷくが食べられます。
(参照)
大槌町観光交流協会HPより
【花音(かのん)の“すっぷく”販売しております!】
https://otsuchi-ta.com/event-info/?p=10926
岩手県立大槌高校note - 2024年3月27日記事より
モブキャラ教員が「花音のすっぷく」を探究してみた
https://oht-hs.note.jp/n/ncdfea2a55631
○伝えたい・残したい風景


2025年は熊騒動に揺れた一年でしたが、無事に小学生たちは新巻鮭づくりを終え、今年も終業式に持ち帰る風物詩を見ることができました。続けられることはできるだけ続けていくのが良いし、こうした風景を守っていける大人でありたいと思います。
○三陸の今日は奥能登の明日を照らす
能登半島地震から丸2年、まもなく発災から3年目となります。三陸が経験した甚大な被害からの立ち直りの過程が、現在進行形で困難に直面している奥能登地域にとって、未来への具体的な道しるべや精神的な支えになれますように。
三陸はもちろん、熊本の方々も支援に駆けつけるなど、被災地同士が連帯し、共に未来を築いていこうとする前向きなメッセージを届ける一助になりたいと思います。
大槌のすっぷくの話は、奥能登に通じるところがあると思います。いつどのタイミングかはわかりませんが、奥能登の希望、奥能登の宝は案外近くにいるかもしれませんしこの先遠くからやってくるかもしれません。まだその時でないならばいつかその時が来る。そんな風に感じます。
○終わりに

今年は3月に大船渡で大規模な林野火災が発生しました。そして先日は北東北で大きな地震もありました。寒い冬の防災対策は大丈夫でしょうか?災害が起きても「私も大丈夫」と言える家庭が多くなれば心丈夫にいられます。年末年始、皆様が心穏やかに過ごせますように。そばにいる家族を大切に。離れて暮らしている家族を大切に。
一般社団法人デイリーストックアクション 共同代表 梅沢義明
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