三陸うめちゃんコラム
三陸うめちゃんコラムvol.12~満員御礼「耐災力」イベント・熊本地震から9年~

○満員御礼「耐災力」イベント

3月26日(水)に「子どもと学ぶ在宅避難!おうちのサバイバル体験」と称して、春休みに親子で参加できる体験型イベントを開催しました。春休み期間とはいえ、保護者の参加がどのくらい見込めるか未知数でしたが、想定を上回るご応募をいただき、誠にありがとうございました。
イベントについて、オープンハウスグループのイベントレポートをご参照ください。非常に見応えのある内容になっています。またイベント開催にあたり、ご協賛企業様からのプレスリリースもありましたので、こちらもあわせてご参照ください。
オープンハウスグループ - イベントレポート
https://openhouse-group.co.jp/news/release/pdf/20250407_1.pdf
VALX株式会社からのプレスリリース
https://mainichi.jp/articles/20250416/pr2/00m/020/293000c
詳細については、上記レポートをご覧いただくとして、まず私が感じたことは、防災関連のイベントをハウスメーカーのショールームや住宅展示場で開催することで、参加者様により鮮明にイメージしやすい形でお伝えできたのではないかということです。


キッチンスペースでなくても常温保存食品を活用したレシピの試食はできますが、キッチンスペースだからこそ先に講座でお話ししたスペースを有効活用した食材等の選び方、保管の仕方を肌で感じることができます。
また日用品の防災グッズの中でも重要度が高いトイレまわりについて、簡易トイレなどをいざ使用する時になって初めて試したのでは心許ないですが、展示のトレイを使って試してみることで自宅のトイレを想像することができます。この展示スペースには3タイプのトイレがありましたが、うちのトイレはどうだろうと思いを巡らせたことと思います。


デイリーストックアクション(DSA)の活動で最も顕著な反応をいただくのが、「これ常温保存食品だけなの?」と驚かれるレシピの試食です。ご試食いただいた商品を実際に見て手に取っていただき、普段買い物をされるスーパー等の陳列コーナーが変わって見えたなら幸いです。私たちもご紹介する商品を実際に食べて、とても気に入ってご紹介していますので、美味しいというお声を参加者様から直に聞けるのは嬉しい限りです。ご協賛いただいたメーカーの皆様、本当にありがとうございました。
こうした体験の機会をこれからも作っていけたらと思います。
○あれから9年

4月21日(月)~23日(水)まで、病院の慰問活動で熊本に行ってきました。ちょうど熊本地震から9年というタイミングだったこともあり、活動の隙間時間で熊本城の様子を見に行ってきました。


熊本城はだいぶ綺麗になっている印象でしたが、エリア全体としては石垣が大きく崩落したままの姿が見られたり、修復された新しい石垣の白が目立っていたり、ブルーシートで覆われている部分が目に入ってきたり、震災の爪痕をまだまだ感じる風景がそこにはありました。桜の見頃は過ぎていても自然の美しさを感じる季節ですから、多くの観光客が思い思いに写真を撮るなどとても賑わっていました。

病院の慰問活動を終えて、飛行機の時間まで少し余裕があったので、この4月にオープンしたばかりの益城町地域共生センターにも立ち寄ってきました。


「益城町地域共生センターカタル」という名前の認知はまだまだこれからのようで、タクシー会社も住所を言って場所がわかるような感じでした。中庭を囲むように建てられた木の温もりが感じられ優しさに包まれたような施設です。新しい施設はそれだけで何かワクワクします。

5月には開館記念イベントが行われる予定で、絵本の朗読会などもあるそうです。
益城町地域共生センターカタル
https://mashikimachi-kataru.com/

隣接するエリアには、4棟からなる木山下辻団地という災害公営住宅がありました。すぐ近くに集会所もありました。幼稚園もありました。
背中に「絆」と書かれたTシャツを着ているボランティアさんらしき妙齢の女性と少し会話をさせていただきました。この団地で暮らしているそうで、能登にボランティアに行ってきて、先日能登からも来てもらって交流をしたとのことでした。
熊本と能登 あの時感じた“地域”の力 地震の被災者たちが「記憶」を語り継ぐ集会
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkk/1853057?display=1
東北から能登に通うひとたちがいるように、熊本から能登に通うひとたちに出会いました。熊本地震の頃は東日本大震災から5年の時で、東北では「忘れ去られるのではないか」と風化を心配する声が大きかった頃でした。「熊本へ行ってしまうの?」と心配そうな顔で何度も聞かれましたが、その度に「どこにも行かないここにいるよ」と返答していました。
ですので、仲間に物資を託してもボランティアなどで熊本を訪れることはありませんでした。今回、こうして熊本を訪れる機会をいただき、わずかな滞在ではありましたが、震災からこれまでの様子を感じることができました。

施設の前には青々とした広場があります。空港へ向かうタクシーの運転手さんが目の前に広がる畑を見て「仮設の跡地がもう畑に戻っている」と言いました。益城町地域共生センターカタルのある区画の道の向かいは最後の仮設だった木山仮設団地の跡地でした。2023年3月で幕を閉じました。つい最近のことですね。ひょっとしたら「木山仮設団地の跡地の向かい」と言った方がタクシー会社に通じたかもしれません。
空港から15分ほどの場所ですから外から人を呼びやすいと思いますし、最後の仮設の跡地が向かいにあるのも何か感じるものがあると思います。また訪れる機会に恵まれたらイベント情報などチェックして再訪しようと思います。
○本所防災館

実は以前から気になっていた施設でしたが、防災の感度が高くなっている時だったので、思い立ったが吉日で本所防災館を訪れました。
錦糸町駅から歩いて10分ほど。無料展示だけでも楽しめますが、体験コーナーがたくさんあるのでいろいろと試してみてほしいと思いました。



デイリーストックアクションなど防災関連で得た情報や知識の再確認にもなりますね。


無料で体験できる水害についてのQ&Aが良かったです。東京北東部を流れる荒川が氾濫したと仮定して、何時間後にどんな被害が起こり得るのか動画で見せてくれます。東京は交通機関として地下鉄網が発達していて便利ですが、いざ大規模な災害を想定した場合、その地下鉄網が氾濫した水の通り道になり地下はたちまち危険な状態に。しかも地上は大きな被害がないように見えている場合もあり人の往来も多いのでパニックに陥る危険性が高いです。


本所防災館のある江東区で水害が起きた場合のシミュレーションもありました。江東デルタ貯留型氾濫の被害予測では、浸水世帯数42万6千世帯、孤立者数最大約72万人、死亡者数約3500人、浸水継続時間は多くの地域で2週間以上とのことでした。

デイリーストックアクションの事務所がある地域のハザードマップを調べてみました。とどまるのが良いか、どちらの方面に向かうのが良いかがわかるだけでも大きな助けになりますね。
訪問した熊本などの九州ではより台風や火山の被害を想定するのだと思いますが、自分が暮らしている地域、働いている地域、通っている学校がある地域のことを、もっと知っていた方が良いと感じました。

お土産に簡易トイレ、記念にご当地グッズを購入しました。この日は平日でしたが、外国人グループの来館も何組かありました。
池袋や立川などにも防災館がありますので、GWに遠出をするのも良いですが、近場で防災レベルをひとつ上げる家族イベントをするのも良いですね。
本所防災館
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/taiken/honjo/index.html
池袋防災館
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/taiken/ikebukuro/index.html
立川防災館
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/taiken/tachikawa/index.html
○終わりに
新生活をスタートさせた方々にとっては、疲れが出る頃であったり少しずつ家の片付けが済んできたところではないでしょうか。新しく住み始めた地域を散策したり、防災公園や避難場所、避難所、通勤通学路を確認したり、季節の変わり目なので衣替えや模様替えをしたり、もちろん家庭の備蓄を見直したり。
私も事務所がある場所は暮らしている場所ほどは知らないので、オシャレなカフェを探すついでに防災の観点で町を眺めてみようと思います。
また今まで一緒に暮らしていた子どもを新天地に送り出して、夫婦ふたり暮らしになった家庭やひとり暮らしになった親世代にとっても、自分たちでできること、自分ひとりではできないことなどを知って、暮らしやすく整理してみる機会にしたいですね。
普段、忙しいと言って実家に寄りつかない方は、何をする訳ではなくてもちょっと寄ってみたと顔を出す機会にしても良いでしょう。気恥ずかしさは帰る頃には行って良かったに変わるのではないでしょうか。
そばにいる家族を大切に。離れて暮らしている家族を大切に。
一般社団法人デイリーストックアクション 共同代表 梅沢義明
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